ハワイから影が無くなる? ハワイのラハイナ・ヌーンとは
ハワイにはラハイナ・ヌーンと呼ばれる不思議な現象がありますが、知っている人はどのくらいいるのでしょうか? 「ラハイナ・ヌーンとは何なのか?」、「ラハイナ・ヌーンはいつ、どのようにして起こるのか?」――
ここでは日本では経験することのできない、天体の神秘が感じられる現象について解説していきます。
ハワイのラハイナ・ヌーンとは?
ハワイでは年に2度ほど太陽が真上を通過することがあります。この時は日光が地面に対して垂直にあたるため、電柱や信号機、ビルなど地面からまっすぐ立っている物でも影が一切なくなります。
これがラハイナ・ヌーンと呼ばれる現象で、ハワイではある一定の時間内、太陽が出ているのに影がないという奇妙な光景を見ることができるのです。
ちなみにラハイナ・ヌーンというのはハワイ語で「灼熱の太陽の午後」を意味します。ラハイナ・ヌーンという呼び方は、ホノルルのビショップ博物館によって公募で命名されたものです。
ラハイナ・ヌーンが起こる仕組み
風景から影が消えるという不思議な現象はどうして起こるのでしょう? それはハワイが北回帰線と南回帰線に挟まれたエリアの中に位置しているからです。1年を通じた太陽の動きを考えた場合、春分に赤道を通過した太陽は次第に北上していき、夏至のタイミングで北緯23.5度にある北回帰線に到達します。そこから今度は南下していき、冬至のときに南緯23.5度にある南回帰線に到達すると、再び北上に転じます。
つまり太陽は北回帰線と南回帰線の間を行き来していて、その「行き」と「帰り」の年2回ほどハワイ諸島の真上を通過するのです。太陽が真上にいると影は斜めに伸びることなく、物の真下に映し出されます。それゆえ影が消えたようになり、ラハイナ・ヌーンが出現するのです。
ちなみにこの影が消える現象はハワイだけでなく、北回帰線と南回帰線に挟まれた熱帯地域ではどこでも見ることができます。日本列島は地理的に北回帰線よりも北にあるため、太陽が真上に来ることがありません。なのでラハイナ・ヌーンが起こらないのです。
ハワイのラハイナ・ヌーンを体験したい場合のおすすめの旅行時期
太陽がハワイの真上を通過するチャンスは年に2回あります。太陽が南から北に向かって進んでいる途中の5月と、北回帰線を経由して南下していく途中の7月です。ラハイナ・ヌーンを体験してみたいという人はこの時期に行くのがおすすめです。
ただし注意しなければいけないのは、ラハイナ・ヌーンが起きる時期は場所によって変わるということです。春のラハイナ・ヌーンは南から北に進んでいくので、一番南にあるハワイ島で最初に起こり、そこからマウイ島、ラナイ島、モロカイ島、オアフ島、カウアイ島の順番で発生していきます。
逆に夏のラハイナ・ヌーンは一番北にあるカウアイ島で最初にはじまり、そこからオアフ島、モロカイ島、ラナイ島、マウイ島、ハワイ島と進んでいきます。カウアイ島でラハイナ・ヌーンが起こる時期とハワイ島で起こる時期には2週間程度のタイムラグがあるので、旅行の計画を立てる時は自分がどの島に行くのか考えた上でスケジュールを決めた方がいいでしょう。
ラハイナ・ヌーンは年に2回しか起こらない珍しい現象です。すべての影が消えてしまった風景を見られることなどめったにないので、ハワイ旅行に行く人はスケジュールを調整して、ぜひラハイナ・ヌーンを体験してみてはいかがでしょうか。
作成日:2017/07/04