海外旅行で最も気をつけなければいけないのが、パスポートの紛失です。パスポートがないと帰国することができないため再発行をしなければいけませんが、手続きに手間と時間がかかるため、せっかくの旅行を満喫することができなくなってしまいます。

しかし紛失した際の対処法を知っていれば、すぐに行動に移せてスムーズに解決できるはずです。海外でパスポートを紛失した際にやるべきことをきちんとおさえておきましょう。

パスポート紛失に気付いたときに取るべき行動

パスポートを紛失したときは、以下の順に手続きを行います。

・警察署に行く

現地の警察署に足を運び、「ポリスレポート」の発行を受けます。これは紛失の届け出があったことを証明する書類で、大使館での手続きや出国の際に必要となるので必ず取得しておいてください。

ポリスレポートを発行する際には警察官から紛失した日時や住所を聞かれますので、すぐに英語で答えられるように頭の中を整理しておくとスムーズです。

警察署の場所が分からないときは宿泊先のフロントに聞くと良いですが、出先で紛失に気付いたならタクシーで向かうのが確実でしょう。英語で警察署は「police station」と言いますので、覚えておいてください。なるべく早めの届け出を心がけて、失効処理を急いでください。

・日本大使館に行く

ポリスレポートを持って日本大使館に行き、パスポートを紛失したことを証明する届け出を提出します。申請の際には、ポリスレポートと自分の写真が必要です。書類が受理されると紛失したパスポートは無効となりますので、もし見つかったとしても使用することはできません。

・再発行か、渡航書の申請をする

新しいパスポートを発行するか、帰国のための公的な文書である渡航書を申請するかを選択します。パスポートの再発行より渡航書のほうが手続きに時間がかかりませんので、観光で一時的に滞在しているだけならこちらを選択すると良いでしょう。

ただし渡航書は有効期限が数日程度であることが一般的で、滞在中の国からの出国手続と日本到着時の帰国手続にのみ行使が限定されるため、その他の国への入国はできません。そのため、日本に帰国してから新たにパスポートを申請し直す必要があります。

以上がパスポート紛失の際に取るべき行動です。ただし身分証がない場合は、渡航書の発行にも時間がかかることがありますので、海外旅行ではパスポートのほかに運転免許証や住民票を用意しておくと万が一のときにも安心です。

またツアーに参加している場合は独断で手続きを行うのではなく、まずは添乗員などのスタッフに相談し、指示を仰ぐことが大切です。

紛失しないための防止策

パスポートの紛失を防ぐ方法としておすすめなのは、ひものついたケースに入れて首にかけて持ち歩くこと。着替えのときなど一時的に外した場合は、再度首にかけたことを確認してからその場を離れるようにします。また、チェーンをつけてポケットから落ちないようにする方法も有効です。ひもやチェーンは、すぐには切れない強い素材で作られたものを使いましょう。

スーツケースにしまう場合は決まった場所に入れるようにし、ホテルの中で盗難に合わないためにもしっかりとカギをかけてください。

パスポートは海外で身分を証明するとても大切なツールです。紛失してしまうと帰国ができなくなり、さまざまな手続きが必要になりますので、置き忘れおよび盗難には十分に気をつけましょう。もし紛失に気付いたときは、上記を参考に冷静に対応してください。

作成日：2016/02/05